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グローブへのこだわり

どんな分野でもそうだと思うのですが、専門職の人は、道具にそれぞれ独自のこだわりがあると思います。私の場合は、ガーデニングの現場で使用するものとして、まずはハサミ。その次くらいに重要なのが、グローブかなと思います。もちろん、腰袋とか、作業着とか、もっと言うと靴下とか、すべてにおいて、快適に作業できるためのものを身に着けたいのですが、その中でも、グローブは、やはり、重要。

 

先日、事務所にある広告代理店の方から電話をいただいて、用件を伺うと、「ショーワグローブさんのサイトのコンテンツを制作しておりまして、そのためのインタビューをお願いできないか?」という内容でした。私は、ショーワグローブの「組立グリップ」を、もう、10年以上前から愛用していて、時々、他のものを試してみたりするのですが、やはり、「組立グリップ」に戻ってしまうというくらいのファンなので、具体的な内容を聞く前に、「やります!やります!」と、勢いよく即答してしまいました。(即答された相手の方は、電話の向こうでのけぞっているくらい驚いているくらいの即答っぷりだったと思います。)

 

昔の植木職人さんは、グローブなんかしていなかったと思うのですが、今は、安全のために、やはりした方が良いと思っています。ガーデニング作業におけるグローブ選びの、私のこだわりは、

 

・手にぴったりフィットするもの

・手先の細かい作業(麻ひもを結ぶ・小さな花がらを摘む等)ができるもの

・土が中に入ってこないもの(特に、爪が汚れやすいので、長時間、土を触っていても、爪が汚れにくいもの)

・洗って何度も使えるもの(弱いものだと、剪定作業をしている最中に、指先に穴が開いてしまったりする ← これは、ハサミで切ってしまうということではなくて、激しく摩擦するせいだと思います)

・夏の炎天下での作業でも、汗で蒸れないもの

・色が作業の邪魔をしないもの(植物の配置や寄せ植えをする際に、手袋の色が目に入ってしまうと、邪魔になるので、濃いブルーや赤などは避けたい)

 

それで、この条件をクリアーしてくれるのが、「組立グリップ」なのでした。これは、ショーワグローブさんの中でもロングセラーの定番商品なのだそうです。

ファイル_000_R  
定番の組立グリップ

先日、一緒に作業しているガーデナー仲間にいろいろと意見を聞いてみたのですが、皆それぞれに、こだわるポイントが違うし、特に、色に関するこだわりは、ある人とない人がいるみたいですね。ちなみに、ガーデンデザイナーの吉谷桂子さんは、「私は黒がいい」っておっしゃっていました。私自身は、白で慣れてしまっているので、黒いグローブで作業をすると、ちょっと違和感があったりするので、「グレーがあると良いですね」っていう話をしたりしていたのですが・・・ 

そうそう、それで、先のショーワグローブさんのコンテンツは、先日アップされまして、こちらで見ることができます。

 代理店の担当の方と、何度かやり取りしている中で、「私、実は、海外で展開されているカラーのバージョンを手に入れたくて、ショーワグローブさんに、直接問い合わせしたこともあるんです」という話をしていたら、インタビューの終わりに、ショーワグローブさんから直接プレゼントをいただき、感激!(日本では、流通していないというのと、海外でも、もう、廃盤になってしまっている古いバージョンだとのこと)

ファイル_003_R  
左の「ATLAS」というタグがついているものが、新しいバージョン。パッケージもきれいです。

それで、早速、アメリカに住んでいる友人に問い合わせてみたら、今のバージョンを送ってくれて、これも感激!こちらの方が、手首のリブの部分が少し長くて、良いんですよね。これ、日本でも発売してもらえないかな?

 


当たり前だけど、「仕事は勉強。」

2008年の秋頃から関わらせていただいている、町田ひろ子アカデミーのガーデニングプランナー科の新学期が、今年も始まりました。

このカリキュラムに関しては、担任でもないし、それほど責任重大な部分を担当しているわけではないのですが、「転職」や「今後の人生を充実させるため」ということを目的に入学している人たちに、何かを伝えなければならないわけで、それぞれの生徒さんの立場に立って考えると、かなり責任重大な役割だと思うと、始まる前にはそれなりに緊張するのです。

そうしたことに意識が向いていると、そういう関連の情報が目に入ってくるんですね。最近読んで面白かったものを二つ、紹介しようと思います。

一つ目は、『MAMMO.TV』というサイトに掲載されていた、建築家 坂口恭平さんのインタビュー
#281 「自分のために生きることを止めたとき、躍動した暮らしが始まる」

坂口さんは、2004年に日本の路上生活者の住居を収めた写真集『0円ハウス』を刊行した人です。
路上生活者に対して、「利用価値のないゴミを自然素材のように扱っていた」という言い方にひかれて、結構長いインタビューなのですが、一気に読んでしまいました。その一部を抜粋します。

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「路上生活者がダンボールなどでつくった家に関心を抱くようになったのはなぜですか?」という問いに対して、

彼らは都市において唯一自力で家や仕事、生活を発明し、つくりだしていたからです。普通に都市で暮らしている人たちが「利用価値のないゴミ」と見なすものを自然素材のように扱っていたし、彼らはまるで鳥が小枝で巣をつくるように暮らしていた。お金が極力かからない生き方をしていた。

考えてみれば、水も空気もタダで手に入るもので、土地も人がつくりだしたものでなく、自然に与えられたものでしょう?

本来は所有できないものが誰かに管理されていて、それを使うため、買うために働き続けないといけない僕らの暮らしは、ちょっとおかしいのではないか?そう思うようになりました。

「家やマンションのローン返済のために働くという労働観が揺さぶられます。」という問いに対して。

そうです。僕は「じゃあ、あなたがたは何のために働くのか?」と言いたいわけです。誰しも「こういう世の中ならいいな」「本当はいまの暮らしは嫌だ」とか自分の考えをもっていますよね。

でも、やりたいことを選ばずに嫌々働いたりしている。徹底的に考えずに「やりたいことをするのは無理だから」という理由で、胸の奥に思いを秘めつつ、人から言われたことをやっている。
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もうひとつは、ちょっと時間があったので、久々に入ってみたヴィレッジヴァンガードで見つけた松浦弥太郎さんの本『ぼくのいい本こういう本』 。ちょっと古い本ですが、言わずとしれた本のプロフェッショナルが本の紹介をしているのだから、どのページも面白いのですが、ここで紹介するのは、「勉強は楽しいと言える生き方」というページ。

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仕事とは何かと考える。まず頭に浮かぶのは勉強であるということだ。その勉強というものは、本来楽しいものである。しかし、好きか嫌いかと訊ねると、大体の人がうーんと黙ってしまう。好きではないということだ。

〈中略〉

大人になると生き方の選択ができる。どこにも所属せず、誰にも管理されない生き方が選べる。たとえば、誰にも管理されない生き方を選んだ場合、今日はこうしろ、明日はああしろという人は誰もいない。そこで自分ははじめて何をするかを考えなければならない。今日自分は何をするのか。何をしたいのか。何を考えるのか。何が食べたいのか。誰に会って、どこへ行きたいのか。何を知りたいのか。何を言いたいのか。そういう根本的なことを自分で考えて決めなければならない。その考える決める行為が勉強の第一歩だ。生きるとは歩くということだ。歩くためには知恵や方法が必要である。どんな人でもまずはそこから出発をしている。勉強とは何か。それは歩きはじめることである。自分ではじめることはたのしいと言えるのである。

 『執筆前夜』、車谷長吉の『文士の生魑魅』。二冊共に仕事とは何かを教えてくれる一冊である。仕事とは勉強である。勉強は楽しい。人に管理される生き方は捨ててしまえ。
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深くうなずいたあと、今年最初の講義にのぞんだのでした。




「憧れ」と「研究」 浦沢直樹 最終講義から

今さらながら、浦沢直樹さんって、すごいですね。

浦沢さんの漫画自体は、『パイナップルアーミー』くらいしかまともに読んでいないのですが、先日、「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」にちなんで、ラジオに出演されていて、それを車を運転しながら聴いていて、「この人すごいなあ~」と思い、即座に、その月の『美術手帖 特集:浦沢直樹』を手に入れたのでした。

この美術手帖のインタビューの部分は、ラジオで聴いていたことと、ほぼ同じ内容が語られていて、再読することで、その凄さを実感することができます。

今回、わたしが気になったのは、「憧れ」と「研究」という言葉。
名古屋造形大学マンガコースの客員教授をつとめていた浦沢さんの最終講義を文字に起こされたものから抜粋します。
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ちゃんと憧れがあるかどうかをもう1回確認してください。もし、憧れが薄らいじゃっていると思ったら、新しいものをどんどん見て、土台となる憧れの気持ちをガッチリつくってください。憧れる気持ちがしっかりしている人は絶対ぶれないですから。

〈中略〉

ちゃんとした憧れが土台にある人といえば、映画界ではスティーブン・スピルバーグです。映画オタクで、過去の名監督から影響を受けて、その流れを引き継ごうとしている。ザ・ローリングストーンズも、なんで、50年以上解散しなかったかというと、リズム&ブルースを愛しているから。憧れのリズム&ブルースをちゃんとできているかを、いまだに研究しているからなんですよ。

〈中略〉

そして、毎日、ちゃんと描くということ。マンガがうまくなる方法はそれ以外ないです。
とにかく描いて描いてかきまくる。頭ん中でボワーンと考えていてもダメなんです。
白い紙の上に何かを描かないと絶対に上手くなりません。
そして、今日話したことを心掛けてもらって、もし実践してくれたら、1年後には全然違う世界になっていることは保証しますから。
でね、マンガの道を突き進み出し、マンガ家というプロの道がもし開けたら、みなさんそこで覚悟してほしいのが・・・
宿題をやっていない夏休みの最終日のような日が、ほぼ毎日続き、そして一生続きます。
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「憧れ」が仕事への原動力となり、その本質的な部分を研究し続けることで、仕事を継続していく力となる。と。

なるほど。もやっとした目標ではなく、「憧れ」を具体的に持った方が、モチベーションを保ちやすいのは確かですね。

今週末、町田ひろ子アカデミーの「ガーデニングプランナー科」の最初の講義が始まります。
なぜか、例年、担任ではないのに、初日の午後の授業を担当するんですよね・・・
今年は、「憧れ」と「研究」という話をしてみよう。

ところで、私自身の「憧れ」は?
それを明確に持ってしまうと、「宿題をやっていない夏休みの最終日のような日が、ほぼ毎日続き、そして一生続きます。」ってことなんですよね・・・
うーん、微妙だな・・・・


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小島 理恵

Author:小島 理恵
GARDENER Q-GARDEN代表
All About 「花のある暮らし」ガイド
町田ひろ子インテリアアコーディネーターアカデミー 講師

庭のプランニング・施工・ケアまで一貫して手がけている。四季を通じて植物を楽しむことができるオーガニックな空間づくりが特徴。

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