「温室効果ガス25%削減なら可処分所得が年間36万円減る」はウソ
政府が、温室効果ガスの排出の削減目標を出すたびに、ニュースやワイドショーなどで、「国民1人当たり○○円の負担」といった論調で語られることが多い。先日の国連総会で、鳩山総理大臣が大きな目標を掲げた後も、そのような報道が続いていて、連日のように「不景気だ」といいながら、一方で、そういったネガティブな情報しか出さないマスコミに、ちょっと疑問を感じていた。
ある時、車を運転しながらラジオを聴いていたら、「年間○○円というのは、その試算を行った年以降、GDPが毎年プラスになることを想定して可処分所得を計算していたもので、現在の可処分所得から、その金額が減るという意味ではない」というような解説を聞いた。
「な~んだ、そうなんだ。これは、もっと多くの人に知ってもらわなくては」と思いつつ、なにせ、運転しながら聞いていたことなので、正確な数字を思い出すことができず、身の回りの人にさえ、きちんと話すことができずにいた矢先、こんなタイトルのメルマガが届いた。
「温室効果ガス25%削減なら可処分所得が年間36万円減る」はウソ
『オルタナ』という情報誌の編集長からのメルマガで、ブログやメールへの転載はフリーなので、その内容の一部を以下に転載することにする。
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最近よくマスコミで取り上げられているのが
「温室効果ガス25%削減なら、可処分所得は一世帯あたり
年間36万円減る」という見方です。
この数字の根拠は、麻生前政権が温室効果ガスの中期削減目標を
決める際に、内閣官房の中期目標検討委員会などで出てきた資料です。
ただ、これには大きな誤解があります。
環境省の地球環境局地球温暖化対策課の担当者さんは、
下記のように説明してくれました。
《「年間36万円」というのは、
2020年に温室効果ガスを25%削減した時(可処分所得予想555万円)と、
削減しなかった時(可処分所得予想591万円)の差が36万円あるというだけで、
「現在の可処分所得(05年、479万円)から36万円減る、というわけでは
決してありません。むしろ所得は76万円増えるのです》
さらに環境省・担当者さんは
1)この数字にはグリーンニューディールなど、温暖化対策のプラス効果が
入っていない
2)高波や旱ばつ、マラリアなど温暖化対策を取らなかった時の被害コストが
入っていない
――などの指摘をしていました。つまり、温暖化対策によるコスト(光熱費の
増加など)だけを捉えて、しかも、現在より36万円も可処分所得が減るかの
ような誤った見方や報道は、かなり問題があるというのです。
また、25%削減のために今後導入されるであろう、環境税(炭素税)は、
これまでの議論では「税収中立」(納税者の負担は変わらない税制)です。
環境税としての税収を年金財源に充てているドイツなどがお手本です。
つまり、環境税税が導入されたからといって、そのまま可処分所得が減る、
という論理は成り立ちません。
つまり、結論的には、「年間36万円」という数字自体が、かなり怪しい
存在であることが分かります。グリーンニューディールで経済が活性化すれば、
GDPや可処分所得は上向くはずですし、何より国民負担は、今後の
温暖化対策の設計次第で大きく変わります。CO2削減で頑張った人は
報われ、頑張らない人は多くを払う仕組みが必要なのは言うまでもありません。
このメールを読まれている賢明な読者様は、「温暖化対策を進めると
家計に大きく響く」――という誤解をされないことをお勧めいたします。
環境問題は、このように、変な数字の一人歩きや、誤解、風説が本当に
多い分野です。オルタナも気をつけたいところです。
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そういうことなんだ。
「環境省の方もがんばっているな~」と思う。もっともっとがんばっていただいて、いろいろなメディアから情報発信していただきたいと思う。
それから、
「このメールの趣旨に賛同を頂けましたら、ご同僚やご友人に
是非、メルマガ登録をお勧め下さい。」とのこと。
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メルマガ無料登録はこちらから
⇒ http://www.alterna.co.jp/meruma/index.html
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以上。
台風が通過中の横浜の事務所から。
ある時、車を運転しながらラジオを聴いていたら、「年間○○円というのは、その試算を行った年以降、GDPが毎年プラスになることを想定して可処分所得を計算していたもので、現在の可処分所得から、その金額が減るという意味ではない」というような解説を聞いた。
「な~んだ、そうなんだ。これは、もっと多くの人に知ってもらわなくては」と思いつつ、なにせ、運転しながら聞いていたことなので、正確な数字を思い出すことができず、身の回りの人にさえ、きちんと話すことができずにいた矢先、こんなタイトルのメルマガが届いた。
「温室効果ガス25%削減なら可処分所得が年間36万円減る」はウソ
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最近よくマスコミで取り上げられているのが
「温室効果ガス25%削減なら、可処分所得は一世帯あたり
年間36万円減る」という見方です。
この数字の根拠は、麻生前政権が温室効果ガスの中期削減目標を
決める際に、内閣官房の中期目標検討委員会などで出てきた資料です。
ただ、これには大きな誤解があります。
環境省の地球環境局地球温暖化対策課の担当者さんは、
下記のように説明してくれました。
《「年間36万円」というのは、
2020年に温室効果ガスを25%削減した時(可処分所得予想555万円)と、
削減しなかった時(可処分所得予想591万円)の差が36万円あるというだけで、
「現在の可処分所得(05年、479万円)から36万円減る、というわけでは
決してありません。むしろ所得は76万円増えるのです》
さらに環境省・担当者さんは
1)この数字にはグリーンニューディールなど、温暖化対策のプラス効果が
入っていない
2)高波や旱ばつ、マラリアなど温暖化対策を取らなかった時の被害コストが
入っていない
――などの指摘をしていました。つまり、温暖化対策によるコスト(光熱費の
増加など)だけを捉えて、しかも、現在より36万円も可処分所得が減るかの
ような誤った見方や報道は、かなり問題があるというのです。
また、25%削減のために今後導入されるであろう、環境税(炭素税)は、
これまでの議論では「税収中立」(納税者の負担は変わらない税制)です。
環境税としての税収を年金財源に充てているドイツなどがお手本です。
つまり、環境税税が導入されたからといって、そのまま可処分所得が減る、
という論理は成り立ちません。
つまり、結論的には、「年間36万円」という数字自体が、かなり怪しい
存在であることが分かります。グリーンニューディールで経済が活性化すれば、
GDPや可処分所得は上向くはずですし、何より国民負担は、今後の
温暖化対策の設計次第で大きく変わります。CO2削減で頑張った人は
報われ、頑張らない人は多くを払う仕組みが必要なのは言うまでもありません。
このメールを読まれている賢明な読者様は、「温暖化対策を進めると
家計に大きく響く」――という誤解をされないことをお勧めいたします。
環境問題は、このように、変な数字の一人歩きや、誤解、風説が本当に
多い分野です。オルタナも気をつけたいところです。
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そういうことなんだ。
「環境省の方もがんばっているな~」と思う。もっともっとがんばっていただいて、いろいろなメディアから情報発信していただきたいと思う。
それから、
「このメールの趣旨に賛同を頂けましたら、ご同僚やご友人に
是非、メルマガ登録をお勧め下さい。」とのこと。
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