森林環境研究会
信州大学「森林環境研究会」に参加。久々に伊那のキャンパスへ行ったら、新たな施設ができていたり、正門のすぐ近くでダチョウが飼われていたりして、ちょっとした変化に、卒業してからの時間の移り変わりを実感する。
さて、「森林環境研究会」とは、森林環境研究室の現役の学生とOB が一緒になって活動しようという趣旨で立ち上げられた会。今回は、「伊那谷からヒマラヤそしてアフリカへ」というタイトルで、OBの方たちの
・ 「伊那谷の民話にみる動物観」
・ 「2つのヒマラヤ登山」
・ 「貧困と体験学習と森林環境保全と」 -東アフリカのJICAプロジェクトでの経験から-
という3本の講演を聞くことができた。
3本目の「貧困と体験学習と森林環境保全と」は、フリーのコンサルタント、小川慎司さんが、東アフリカで、「ファーマー・フィールド・スクール(FFS)」という手法のファシリテーターをされたときのお話だった。
貧困国などでは通常、農業普及員が、現地の住民に直接技術指導を行う手法がおこなわれているが、なかなか受け入れてもらえないことが多い。その理由を解析したうえで、それに変わる手法としてのFFSの方法、そして、その成果などについて具体的に聞くことができた。FFSとは、簡単に言うと、「どんな風にしたらもっと効率よく作物を作ることができるか」ということを、1年を通してワークショップ方式で学び、住民が主体となって考えていくというもの。
そのなかで、特に興味深かったのは、FFSに参加することによって、農民の内なる変化(エンパワーメント)が生まれるということ。1年の学習を終えた後に行ったアンケートでは、「作物の効率よい作り方がわかった」といった技術的なこと以外に、「社交的になった」・「新しいアイディアを試してみることができるようになった」・「生活が規則正しくなった」・「他の行事にも積極的に参加するようになった」など、自分自身の変化に対する回答が高かったとのこと。これは、自分で応用して新しい活動をしていくとか、人に教えてみるといった、さらに上のレベルのことにチャレンジする可能性が高いということで、単なる技術の普及以上に意味のあることではないかと考えられているとのこと。
ただ、そのエンパワーメントの部分の評価方法が確立されていなかったり、その、住民達のエンパワーメントをどうやって持続させていくかなど、今後の課題もまだあるのだそう。
しかし、このFFSの話は、私自身の今後の活動にとって、とても参考になる話だった。こういう話がタダ聞けるなんて・・・森林環境研究室の卒業生で良かった!
夕方からは、西駒ケ岳の演習林宿舎に移動、いつものごとく、久々にお会いした先生やOBの方々と大いに盛り上がる。今回は、スペシャルゲストとして、島崎先生がいらっしゃり、80歳になっても、昔と変わらず、元気いっぱい活躍されているご様子に感動!
西駒演習林の山の神様