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スウェーデン環境視察ツアー

スウェーデン ウプサラ大学に留学中のO君から届いた、スウェーデン環境視察ツアーの報告書を読む。

私は、リボーンというエコツーリズムの会社が主催した「スウェーデン・デンマーク下見ツアー」に参加し、今年の2月8日~15日にかけてスウェーデンに行ってきたのであった・・・まだ1ヵ月とちょっとしか経っていないのに、あの、何もかもが凍っている景色や、手がかじかんでしまって思うように動かせなくなってしまった感覚さえも忘れかけていた頃に、こうやって記録がまとめられて届くというのは、非常にありがたい。

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〈スウェーデンの寒そうな写真を引っ張り出してみる・・・〉


報告書には質疑応答の内容なども詳細に記されていて、自分のメモよりも断然読みやすい形に整えられているので、きっと、今後も資料として便利に使わせてもらえることだろう。

さて、この報告書から、この旅行をとおして私自身も強く実感した部分を、引用しておく。
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O君は、なぜスウェーデンでは、行政主導による環境政策が進んで行われるのか?というまとめのなかで、

  ・スウェーデンの土地所有などに関する「社会主義」的な体制
  ・スウェーデンのゴミの絶対的な量が少ないということ
  ・スウェーデン人の政治意識

に続いて、「スウェーデン政治家の視野の広さ」として、

  ・「地球規模の問題は、人類の未来のためにすぐにでも取り組むべきだ」という国際益を見据えている点
  ・「地球環境に早いうちに取り組むことは経済的にも合理性がある」という国益を見据えている点

の2点を挙げ、さらに、「後者に関しては、かなり戦略的なものを感じた。」と書いている。
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このことに関しては私も同感で、この国は、国益に関して本当に合理的に考えているし、その目的に対して、どのように進めれば国全体が(もしくは地域全体が)進んでいくのかということを、長い歴史の中で、メソッドとして確立されているように感じられた。

また、このツアー中もっとも実感したことは、スウェーデンという国は「やり直しがOK」な国だということであった。たとえば、ハンマルビー・シュースタッドでは、計画当初、「住民の自家用車の使用をできる限り減らす」という目標をたて、公共交通機関やカーシェアリングのシステムを整備し、逆に駐車場はあまりつくらないという計画をしていた。しかし、当初の予想とは違って、自家用車の使用が必要な家族も多く住むようになったということで、駐車場の整備計画を見直しているという報告があった。また、「住民1人当たりの水の使用量を1日100リットルに抑える」という目標を立て、当初、1日あたり200リットルだった使用量を150リットルにまで減らすことに成功したが、水が豊富なストックホルムでは、「100リットルまでは減らす必要がない。」というという意見もあり、現在議論を重ねている。ということなど、訪れた各地で、このような「目標をたててやってみたけど、○○年に見直した」という話をよく耳にした。

旅の最終日に、このツアーのガイドをつとめてくれたレーナさんとその話をしたときに、「そうね、スウェーデンでは子供を産むこと以外は、なんでもやり直しがきくかもね。」と言って笑っていたのが印象的だった。

今回の旅行は、これからの自分の仕事のヒントを、なんとなく探してみようかないう感じで、「スウェーデンの環境に配慮した暮しって、きっとモダンでかっこいいものなんだろうな~」とか、「オーガニックな食品って、どれくらい一般的に認知されているものなんだろう?」といった漠然としたイメージしかない状態で出発した。

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〈確かに、ゴミ捨て場もかっこよかったが・・・〉

ところが、現地で様々なプログラムに参加しているうちに、日本人とスウェーデン人の生活に対する意識の違いはどこから生まれてくるのか?とか、政治・自治のシステムの柔軟性など、今まであまり真剣に考えようとしてこなかったことに、目を向けざるを得ない状況になってきてしまった。旅行をとおしてこのような意識が生まれたことは、もちろん初めての経験だったし、こんな経験ができて本当に良かったと思っている。

スウェーデンの政治や教育のことに俄然興味がわいた私は、帰国してから早速、Amazonで数冊の本を購入したのだが、日々の慌ただしさにかまけて、全然読んでいなかったのだった・・・これから、ちゃんと読まなくては!


テーマ : ガーデニング
ジャンル : 趣味・実用

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プロフィール

小島 理恵

Author:小島 理恵
GARDENER Q-GARDEN代表取締役
All About 「家庭菜園」ガイド
町田ひろ子インテリアアコーディネーターアカデミー 講師

庭のプランニング・施工・ケアまで一貫して手がけている。四季を通じて植物を楽しむことができるオーガニックな空間づくりが特徴。

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